


Column
2024年12月24日
私がはじめてフエを訪れたのは1999年初頭、いまから26年前のことです。現在ベトナム観光をけん引するダナンなどはまだ直轄市になったばかりで国際的に無名で、ベトナム中部といえば古都フエでした。
国内観光客は増加していたものの、外国人観光客はまだまだ少なく、街中で人々に話しかけても英語が通じる人はまれでした。旧市街にある王宮は既に世界遺産に登録されていましたが、まだ修復される前で遺構ばかりの廃墟のような状態でした。戦争の傷跡をまざまざと見せつけられましたが、いまでも変わらない王宮裏のひと気のない並木道を歩いていると、別世界に迷い込んだような錯覚になる静かで趣のある場所でした。
この時はホーチミンとハノイにも行きましたが、両都市と比べて静かで落ち着いた雰囲気があり、古都というよりものどかな田舎町といった感じで、人々も擦れてないやさしさで接してくれ、非常に良い思い出となった記憶があります。
当時は東南アジアで爆発的に流行していたドリームハウスのSha La Laがベトナムでもどこに行っても流れていて、トロピカルなイメージをさらに強くしたものでした。
ベトナムもまだ誰でも気軽に行けるものではない時代で、ホーチミン空港の入国審査官も軍服姿で社会主義の色合いが濃かったですし、ベトナム航空の国内線などは欠航が頻発、搭乗予定日にフエ空港に向かったらもの凄い人だかりで、見るとなんだか整理券のようなものをもらうために殺到しているようで、慌ててどさくさに紛れて入手、間一髪で代替便を確保したりと、いま思うと旅行難易度のハードルが高すぎて、あんな旅行はお客さんにはさせられないと、しみじみと思いだすわけですが。
いやはや良い時代になりました。
いまではあまり聞かれなくなった「ドイモイ」なんて言葉が当時のベトナムのイメージでしたが、ホーチミンなどは驚くような経済発展を遂げてずいぶん変わってしまいましたが、フエに関しては相変わらずノスタルジックな色彩を残したままで、独特な美しさがあります。フォン川沿いの古びたリゾートホテルも懐かしさを感じさせ、きれいになった王宮は観光にふさわしい質感を持つようになりました。
国内観光客のフエに対するイメージがあるのか、宿泊施設に関しては相変わらずゴージャスな豪華ホテルが多いですが、古都としてのプライドがあるのかもしれませんね。26年前と比べてグルメの面でもかなり充実していますし、これからさらに魅力あふれる旧王都として君臨していくのではないかと思っています。
まだフエに行かれてない方は、次回は是非訪れてみてくださいね。