ミーソン遺跡のこと
2024年5月21日
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アンコール遺跡よりも古クメール期との共通性の方が強い
ミーソン遺跡は、1999年に登録された世界遺産で、正しくはミーソン聖域といいいます。
よくアンコール遺跡との類似性が指摘されますが、ミーソン遺跡の場合にはレンガでできた建造物ばかりで、アンコール遺跡よりもその前時代の真臘国、つまりサンボー・プレイ・クックとの共通性の方が多いのではないかと思います。
当時のインドシナを見渡してもその西はピュー王朝であり、どの地域もインドの影響を多分に受けていた時代ですので、多くの古い遺跡には共通項があります。
ちなみにチャンパ王国はインドシナ諸国の中では唯一上座部仏教が国教とならなかった国ですので、ヒンドゥー色が完全に残った遺跡となりました(当初大乗色が強かった可能性もありますが)。
技術力の高さが指摘されているものの、小規模な遺跡が多い。
また、ミーソン遺跡の建造物にはセメントや漆喰など接着剤を使用した形跡がなく、チャンパ人の技術力の高さを物語っているとされています。
現在でも発掘調査が行われており、またラオスのワットプー遺跡とは近距離でもあり、近隣諸国のヒンドゥー文化を知る上でもリンケージな調査は欠かせず、今後何がわかってくるのか楽しみです。
遺跡としての規模としては周辺国に比べると大きくありませんが、そういった目でみると訪れる意義が大いにある非常に貴重な文化遺産だといえます。
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