Column
2025年1月19日
昔々、コモド島に王女が住んでいて、地元の人々から“ドラゴンの王女”と呼ばれていました。王女はマジョという男性と結婚しました。二人は双子の子どもを授かり、男の子にゲロン、もうひとりにはオラと名づけました。ゲロンは村で育ち、オラは森に住んでいました。二人はお互いの存在を知りませんでした。
何年も経ったある日のこと、ゲロンは森で狩りをして鹿を殺しました。獲物を持ち帰ろうとしたその時、大きなトカゲがやって来て鹿を奪おうとしました。ゲロンはオオトカゲを追い払おうとしましたが、うまくいきませんでした。オオトカゲは鹿の死骸の上に立ち邪魔をしてきたために、ゲロンは槍でオオトカゲを殺そうとしました。とそのとき、突如美しい女性が現れました。それはドラゴンの王女でした。彼女は二人を落ち着かせると、ゲロンに言いました。
「彼女を殺さないで。彼女はあなたの妹よ、オラ。あなたたち二人を産んだのは私よ。彼女とあなたは双子の兄弟なの。だから、彼女を人間として扱いなさい。」