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【2025年】“スリランカ現地ツアーのススメ”

 

2025年1月4日

 

スリランカを観光する際に、カーチャーターとパッケージツアーがあることは以前お話ししました。カーチャーターは車両手配のことですが、スリランカには日本語を話せるドライバーがいて、小さな島の割に観光スポットが各地に散らばっていることと、車両以外の移動方法がうまく確保できないことから、ずいぶん前からスリランカ旅行では割と利用されてきました。

ご要望があるので当社でも手配はしているのですが、これがなかなか曲者でして、日本語ドライバーといっても、もともとほとんどが日本語ガイドです。本当はガイドを専業としたいのですが、需要があるために運転手兼ガイドを引き受けています。 当然ながら、カーチャーターの料金はツアー料金よりも安くなるので、ドライバー兼務の際のガイド料はほとんど発生せず、逆に仕事はハードとなります。 つまり、日本語ガイドには、ガイドでの仕事とドライバー兼務の仕事があるわけですが、収入面で待遇がだいぶ変わってくることになります。

そして問題なのは、スリランカ旅行は車で移動しながら旅をするわけですので、ドライバーのみとなると彼らの裁量が大きくなり、旅行会社にとってモニタリングやハンドリングがしにくくなります。それで、多くの兼務ドライバーが少ない収入に上乗せしようと、コミッションのあるショップやスパイスガーデン、レストランに案内しようとします。
ツアー会社の中には最初からこの件についてのクレームを避けようと、「ガイドがアーユルヴェーダ施設に案内する場合がありますが…」などという文言を記載していたりしますが、ドライバー兼務の場合には致し方ないと考えているということでしょう。
さらには、最終的にお客様からのチップに期待することになります。これによってチップの文化のない日本人観光客の中には旅行の最後にいやな気持ちにさせられたりするのです。

そして、お客様から見れば、その辺は事前にまったく見えないので、安い方がいいに決まっていると考え、スリランカ旅行はそれで事足りると、かなりハイエンドなご旅行に慣れている方ですらドライバーのみにしようとしたりします。
各国でツアープロデュースを行ってきたサラトラベルからしますと、これはツアーの質という観点から、かなり問題がある点だと思います。
若い方で海外旅行の経験が少ないご旅行者ですと、行程についてはあまり知識がなく、こんなものなのだろうと思うのかもしれませんが、旅慣れした方でしたらけっこう分かるものでしょう。
「ああ、ここはコミッションとかがあって連れてこられたんだな」と。

そのために、ある他社さんでは、“雇用や収入を守るためにある程度の料金設定をさせて頂いている”といった事を書かれていますが、内情を言ってしまえばコストを抑えてご旅行してもらうためには、“やむを得ず”上記のようになってしまうということで、本当にお客様のためを考えた旅行でしたら、やはり日本語ガイド+ドライバーが当たり前だと思います(他国ではほぼそういう形態ですので)。

ドライバーに観光ガイドをさせるのは“安全な旅行”という点で無理がある

また、ドライバー兼務でガイディングをするというのはかなり危険です。長距離を運転しながらお客さんに説明する。車から降りられない場所では、事前に車内で案内を済ませてしまう。と、これはドライバーの仕事では本来ありません。シーギリヤロックに一緒に登るドライバーもいますが、疲労面を考えたら休んだ方がはるかに良いです。明日もあさっても運転するのですから。
日本だったら、2024年にドライバーの長時間労働が規制されましたが、日本でタクシーの運転手さんにスリランカのドライバーと同じことを求めたらこっぴどく怒られるでしょう。

スリランカは自然豊かな島ですし、野鳥やゾウなどの野生動物も多く生息しています。車窓からもそういった自然の姿を垣間見ることができますが、運転しながらですとそうもいきません。やはり、手配サイドからも、働く側からも、そしてお客様からしてもドライバー兼務でのデメリットはいろいろあると思います。

コロナ前に比べてかなり円安となっていて、ご旅行費用の負担が大きいことは承知していますが、やはりせっかくのスリランカ旅行ですので、ゆったりと満喫できるツアーがおすすめできると思っております。

 

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