“スリランカ観光のガイドは誰がいいか?”
2024年12月26日
今回は、旅行会社として、普段あまり触れられることのない話をしたいと思います。それは「スリランカ観光の際のガイドは仏教徒がベター」だということです。
これは決して宗教的にどうとかっていうことではありませんが、スリランカの観光資源は宗教人口の比率以上に仏教遺跡や仏教関連の建造物が多くを占めているため、旅行中のちょっとした疑問、例えば珍しいものを見つけたときの「あれは何ですか?」という質問に対して、それが仏教に関するものであれば、適格な答えが返ってくる。旅行者にとっては、そういうひとつひとつがカルチャーショックであり、よい思い出の断片になり得るわけです。
旅行屋としては、そういう些細な、取るに足らないような小さなガイディングがお客さんの良い旅行をつくっていく、それには現地の文化や観光資源により近い信仰を持ったガイドがふさわしいと確信しています。
ですので、スリランカでいえば仏教徒ですが、インドネシアのバリ島であればバリヒンドゥー教徒。ラブアンバジョにはモスリムとキリスト教徒がいますが、コモド島観光に宗教は関係ないので、どちらでもいいでしょう。
一方、ジョグジャカルタにあるボロブドゥールとプランバナンはヒンドゥーと仏教の遺跡ですが、ジョグジャはほとんどイスラム教徒しかいませんので、選択肢はありません。ミャンマー・バガンは、仏教徒しかいませんし、バガンには仏教遺跡しかありませんので、本来そういうのが理想ではあります。
これが、たとえば多民族国家であるカタールに行ったとしたら、カタールはアラブ圏なので当然モスリムのガイドに案内してもらった方が勉強になるでしょう。
スリランカで仏教徒の割合は7割といわれていますが、たとえばポロンナルワやダンブッラのような仏教色の強い観光地は、仏教以外を信仰するガイドには説明するのに難易度が高いでしょう。ラーマヤーナと聞かれてもまだ対応できるかとは思いますが、釈迦八相図ですか?と聞かれたらもうお手上げでしょう。
また、宗教とは生活に根ざした重要な教義が含まれていますので、生活を垣間見るうえでもその地の主要な宗教が良いということになります。
今回は案内する側の宗教という難しい話題に触れましたが、お客様の良いご旅行と実は直結することなので、少しだけ書いてみました。
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